酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(Tartrate-Resistant Acid Phosphatase:TRAP)は、破骨細胞の分化マーカーとして広く認識されており、破骨細胞の培養においては、分化に伴い培地中に放出されます1)2)
本製品は、培養破骨細胞のTRAP活性を検出する試薬セットで、破骨細胞の分化や骨粗鬆症薬の評価にご使用いただけます。
培養上清または固定した細胞に、p-ニトロフェニルリン酸を含むTRAP基質溶液を加え、TRAP酵素の反応により生じたp-ニトロフェノールを405 nmの吸光度により検出する簡便な方法です。

TRAPアッセイセット

セットの構成

  1. TRAP Assay Substrate Solution(製品コード:TRAP-S1、15 mL、2本)
  2. TRAP Assay Stop Solution(製品コード:TRAP-E1、15 mL、2本)

プロトコール概略

培養上清のTRAP活性

  1. マウスマクロファージ細胞株 RAW264.7を、10%FBS含有 MEMαにて培養プレートに播種し、同時にRANKLおよび評価薬剤を添加して培養する。
     96well:2,000cells / 0.2 mL / well
     48well:5,000cells / 0.5 mL / well
     24well:10,000cells / 1 mL / well
  2. 培養72時間後あるいは96時間後に、吸光度測定用の96wellプレートに培養上清を50 μLずつ回収する。
  3. 各wellの上清にTRAP Assay Substrate Solutionを50 μLずつ添加、混合した後、37℃で30分間 ~ 1時間反応(遮光)する。
  4. 各wellにTRAP Assay Substrate Solutionを50 μLずつ添加して(この時点で発色します)、撹拌する。
  5. 405 nmの吸光度を測定する。

細胞のTRAP活性

  1. 培養プレートの各wellの培地を除去した後、10%中性緩衝ホルマリン溶液を添加して、室温で10分間固定する。
  2. 固定液を除き、精製水(0.2 ~ 1 mL)にて各wellの細胞を2回洗浄する。
  3. 下記容量のTRAP Assay Substrate Solutionを添加、37℃で30分間 ~ 1時間反応(遮光)する。
     96well プレート:100 μL/well
     48well プレート:250 μL/well
     24well プレート:500 μL/well
  4. TRAP Assay Substrate Solutionと同量のTRAP Assay Stop Solutionを添加して(この時点で発色します)、軽く撹拌する。
  5. 反応液を吸光度測定用の96wellプレートに100 μLずつ回収後、405 nmの吸光度を測定する。

注意事項

  1. フェノールレッドを含む培養上清にもご使用いただけます。
  2. TRAP基質との反応の際は遮光し、ご使用の培養系に合わせて反応時間を調節してください。反応停止液を添加した段階で発色します。
  3. リン酸カルシウム固層化プレート(骨吸収活性評価プレート)を用い、細胞のTRAP活性を測定する場合、Stop Solution添加により白濁しますので、2,000 x g、3分間遠心した後の上清を使用してください。

参考データ

培養上清および細胞のTRAP検出
図1. RAW264.7細胞(48wellプレート、10%FBS/MEMα)を、播種と同時にRANKLを添加して96時間培養し、培養上清および細胞を回収した。
A:培養上清50 μLにSubstrate Solutionを50 μL、B:固定/洗浄後の細胞にSubstrate Solutionを250 μL添加して、37℃で1時間反応させた。Stop Solutionを加えた後、405 nmの吸光度を測定した。(Mean±SD、n=4)
アレンドロン酸によるTRAP活性抑制
図2 RAW264.7細胞(96wellプレート、10%FBS/MEMα)を、播種と同時にRANKL(100 ng/mL)およびAlendronateを添加して72時間培養し、培養上清および細胞を回収した。
A:培養上清50 μLにSubstrate Solutionを50 μL、B:固定/洗浄後の細胞にSubstrate Solutionを100 μL添加して、37℃で1時間反応させた。Stop Solutionを加えた後、405 nmの吸光度を測定した。RANKLにより誘導されたTRAP活性をControl(100)とし、%値で示した。(Mean±SD、n=6)

引用文献

1) Alatalo SL, Clin Chem, 2000, 46(11):1751-1754.
2) Lv Y, Exp Ther Med, 2015, 9(1):143-146.

製品ラインアップ

詳細メーカー製品番号製品名容量価格在庫情報保存温度法規制
PGリサーチTRAP-SETTRAP Assay Set1ST¥21,000問合せ-20C-
キャンペーン期間 -
提供形態 Set
CAS RN® -
標識 -
タグ -
動物種 -
免疫動物/宿主 -
交差種 -
適用 -
クローン名 -

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