Selection and Location of Affinity - Purified Secondary Antibodies
(アフィニティー精製二次抗体の選び方)

Step 1:Whole IgG 抗体、F(ab')2フラグメント抗体、Fabフラグメント抗体のいずれかを選択します

ジャクソン社のアフィニティー精製二次抗体は、Whole IgG、F(ab')2フラグメント、Fabフラグメントの3種類の形態で提供されています。

Whole IgG
抗体は抗血清からイムノアフィニティークロマトグラフィーにより分離されており、これらの抗体はFc領域と2つの抗原結合Fab 領域を持っています。(図1
Whole IgG 抗体は、ほぼ全てのアプリケーションに適しており、コスト面でも優れています。

酵素処理によって産生されるIgGフラグメント

F(ab')2 フラグメント
抗体はペプシン処理によりIgG からFc 領域が除去されることで産生されます。この抗体の2つの抗原結合領域はジスルフィド結合により結合したままの状態です(二価抗体)。(図1)この抗体は、抗体とProtein A またはProtein G との結合、Fc 受容体をもつような生細胞との結合を避けるような場合に使用します。ただし一次抗体にWhole IgG 抗体を使用している場合、二次抗体の形状には関係なくFc 受容体との結合が発生する可能性があります。なおFc 受容体との結合は、アジ化ナトリウムと標識二次抗体のホスト動物種由来の正常血清を含むバッファー中で細胞を4℃でプレインキュベートすることによって防ぐことができます。

ご注意
標識二次抗体を使用される場合、正常血清や一次抗体のホスト動物種由来のIgG を用いたブロッキングは決して行わないでください。血清中の免疫グロブリンが対象サンプルと非特異的に結合し、標識二次抗体によって認識され、結果としてバックグラウンドが高くなる可能性があります。

Fab フラグメント
抗体は、IgG のパパイン処理によって産生されます。(図1)この抗体には1 つの抗原結合部位があるだけです(一価抗体)。この抗体は、内因性イムノグロブリンや同一動物種由来の一次抗体を使用した多重標識実験において暴露されたイムノグロブリンのブロッキングに使用されます。

Step 2:一次抗体の由来動物種を確認します。

本カタログでは一次抗体の由来動物種別にアルファベット順で抗体が記載されています。
例えば、マウス由来の一次抗体に対する二次抗体を探す時は「抗マウス」の項目をご覧ください。

ご注意
本カタログには、抗シリアンハムスター抗体と抗アルメニアンハムスター抗体の両方が記載されています。適切な二次抗体を選択するためには、一次抗体がどの種類のハムスター由来であるか確認しておくことが重要です。

Step3:二次抗体の宿主動物種を選択します。

本カタログでは「抗体名」の先頭に二次抗体の宿主動物種が記載されています。
例えば、抗体名に「ウサギ抗マウスIgG(H+L)」と記載されていた場合は、その抗体はウサギ由来の二次抗体になります。

Step4:二次抗体の特異性を選択します。

ご注意
免疫グロブリンは異なる動物種由来であっても、類似した構造を持っています。特定の動物種に対する抗体は、特異的な吸収処理を行った場合以外は他の多くの動物種と交差反応する可能性があります。他の動物種に対し吸収処理を行った抗体は、カタログの抗体名に「吸収済み:(動物種)」と記載されています。

Anti-IgG(H+L)

この抗体は、IgG の重鎖と軽鎖の両方と反応します。すなわち、IgG のFc 領域とF(ab')2 / Fab 領域の両方と反応します(図1 参照)。全てのイムノグロブリンは同一の軽鎖(カッパ(κ)型またはラムダ(λ)型)を持っている為、抗IgG(H+L)抗体はIgMやIgAなど他のイムノグロブリンクラスとも反応します。抗IgG(H+L)抗体は、抗フラグメント特異的抗体よりも広範囲のエピトープを認識します。

Anti-IgG, Fc fragment specific

この抗体は、IgGの重鎖Fc領域と反応します。抗体はELISAによる試験、および/あるいはFabフラグメントに対して吸収処理が行われています。また一部の製品ではIgMおよび/あるいはIgAとの交差反応性を最小限に抑えるための吸収処理を行っています。この処理を行っている抗ヒト、抗マウス、抗ラット抗体は、「抗IgG,Fc γフラグメント」と表記されています。

ご注意
全ての抗IgG, Fc 抗体が全てのIgG サブクラスと同等に反応するわけではありません。IgG の4 種のサブクラスそれぞれに同等な反応性を有する抗マウスIgG, Fcγ抗体については、ヤギ抗マウスIgG(サブクラス1+2a+2b+3)、または抗マウスIgG,Fcγフラグメント(吸収済み:Hu,Bov,Rb)を選択してください。

Anti-IgG, Fcγ Subclass specific

この抗体は、各マウスのサブクラスにおいてIgGの重鎖Fc 領域と反応します。抗体はELISA による試験、および/あるいはFabフラグメント、IgM、その他のマウスIgG サブクラスに対して吸収処理が行われています。

Anti-IgG, F(ab')2 fragment specific

これらの抗体は、IgG のF(ab')2/ Fab 領域と反応します。いずれの製品もFcフラグメントに対して吸収操作が施されています。これらの抗体は軽鎖と反応するため、同一の軽鎖を持つ他のイムノグロブリン(例:IgM、IgA)とも反応します。

吸収済み:(動物種)

抗体名にこの表記がある抗体は、その箇所に示されている動物種のIgGおよび血清タンパク質に対して吸収処理が行われています。他の動物種由来のイムノグロブリンの存在により、実験結果に影響を及ぼす可能性がある場合はこの抗体をご使用ください。しかし下記に示すような近縁種に対して吸収処理を行った抗体では、エピトープの認識能が著しく低下しており、一部のモノクロナール抗体を十分認識しないことがありますのでご注意ください。

抗マウスIgG(吸収済み:Ratを含む製品)、抗ラットIgG(吸収済み:Mouseを含む製品)、
抗アルメニアンハムスターIgG(吸収済み:Mouse,Ratを含む製品)

ML(Multiple Labeling)

多重標識実験を行う際は抗体名に「ML」の表記がある抗体の使用をお勧めします。

ご注意
特定の動物種に対する二次抗体は、特異的な吸収処理を行った場合以外は他の多くの動物種と交差反応する可能性があります。

他の動物種の存在下で特定の動物種を検出する必要がある場合に限り、近縁種の動物に対して吸収処理を行った抗体を使用します。このような抗体は、全てのIgG サブクラスとはうまく反応しない場合があります。例えば、内因性のイムノグロブリンを含むラット組織、またはラット由来一次抗体を含む多重標識実験で、マウス由来一次抗体を検出する為には、ラットに対して吸収操作を実施した抗マウスIgG を使用します。 ラットのイムノグロブリンが存在しない条件下でマウス由来一次抗体を検出する場合には、ラットIgG に対して吸収処理を行っていない抗マウス二次抗体を使用することをお勧めします。ウシ血清アルブミン(BSA)と粉ミルクにはウシIgG が含まれている可能性があります。

ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジに対する二次抗体はウシIgGと反応しますので、これらの抗体の希釈やブロッキングにBSA または粉ミルクを使用しますと、バックグラウンドが増大し、抗体価を減少させる可能性があります。ブロッキングには、二次抗体の宿主動物種由来の正常血清(5% v/v)のご使用をお勧めします。

Step5:カタログ各ページの上段に記載の各標識物から希望のものを選択します。

蛍光標識物名の下には励起波長(A=XXX(nm))、最大蛍光波長(E=XXX(nm))を表記しています。

Step6:希望する「抗体特異性」(行)と希望する「標識物」(列)とが交差する部分から、選択した抗体のカタログ番号、容量、価格を確認します。

上段の9桁の数字がカタログ番号、中段は容量、下段には価格を表記しています。

Step7:製品名を完成させてください。

Step 6で確定した情報を元に製品名を完成させてください。
ご注文の際は間違いを避けるため、カタログ番号、容量ならびに製品名も必ずお知らせください。

例えばカタログ番号が「305-035-003」の場合、下記のような製品名になります。

製品名

A. 抗体の形態(Whole IgG、F(ab')2 またはFab フラグメント)/B. 二次抗体の宿主動物種/C. 抗体が反応する動物種/D. 抗原特異性/E. 抗体標識物

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